2006年8月活動実績 セミナー「地震災害の財務影響分析」開催 

 日本は自然災害の発生の危険度が非常に高く、企業にとっても災害対策は緊急の課題となっています。しかしながら現実には法規制などによる強制には限界があるため、企業の防災への取り組みを市場が評価する仕組みを構築することで、企業が自ら積極的に取り組むように促す必要があります。2003年にドイツのミュンヘン再保険会社は日本、特に東京・横浜の自然災害危険度が世界の主要都市に比べて格段に高いと発表し、内外で反響を呼びました。事実、我が国の企業は、地震や風水害等の危険地域に位置する地理的なハンディを背負っていますが、このハンディが製品や資材の国際市場における企業選別の対象とならないよう自助努力することが必要です。

 今回、NPO法人シビルサポートネットワークをプラットホームとした武蔵工業大学総合研究所と建設コンサルタントとの社産学共同研究において、自然災害リスクを工学的視点、経営的視点、財務的視点の総合的な視点で評価する方法の開発に成功しました。本評価手法が企業のBCPにも組み入れられ、これによって市場が企業の防災への取り組みを適正に評価推進することで、日本企業の国際競争力を高めると共に企業価値の向上に繋がって参ります。これは地域社会の防災性向上に資する意味でも重要と考えます。

 これ等の研究成果を速やかに、且つ多くの企業経営者へ周知させることを目的とし、本NPO法人と武蔵工業大学総合研究所との共催によるセミナーが、「地震災害の財務影響分析」なるテーマで平成18年8月25日(金)86名もの参加を頂き、盛会裏に開催されました。

 本セミナーでは下記の手順で地震災害の財務影響分析を具体的にご説明しました。
■ 事業損失を含めた地震災害時の被害を金銭価値で定量的に算出。
■ 財務諸表のキャシュフロー計算書ならびに貸借対照表に着目、地震災害が発生した場合とそうでない場合を比較。
■ 防災対策の効果を財務諸表で示す。
 このセミナーをきっかけに本評価手法が企業の防災投資促進に役立てられることを願っております。

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